循環器3-12
発表者: 上嶋徳久、桐ヶ谷肇、澤田準、関根泰、塩野谷恵美、種村正、渡辺熙
所属: 心臓血管研究所
演題名: 左室長軸方向の非同期が心機能障害の原因と考えられたVVIペースメーカー植え込み術後の1例
抄録:
症例は71歳女性。1994年に徐脈性心房細動に対しVVI。1995年に労作時息切が出現、1999年に悪化。1999年に
Vingmed製System Five心エコ−図を記録、Echo PACのanatomical M-modeル(PM)、腱索レベル(CT)において心室中隔(VS)と左室後側壁(PW)のM-mode像を作成した。VSに対するPWの収縮開始遅延はAPで0.04秒、CTで−0.01秒であった。VS動態の分析ではAPの収縮運動は0.16秒持続、その後外方への動きを示した。PMとCTに時相差はなくCTの収縮はAPより0.09秒遅れて開始、0.27秒持続、左室駆出血流の時相と一致した。駆出量(SV)はTeichholz差がない
VVIの 3例ではAPに対するCTの収縮開始遅延は0.05〜0.12秒であったがAPの収縮期外方運動は認められなかった。VVI同期が本例の心機能障害の原因と考えられた。
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循環器3-13
発表者: 芳沢茂雄、伊藤清治、馬場彰泰、高橋路子、赤石 誠
慶應義塾大学病院 心臓血管外科 四津良平
所属:北里研究所病院
演題名: 弁形成術が可能であった重症僧帽弁閉鎖不全の一例
抄録:
僧帽弁形成術は患者のADLや予後を改善する有効な手技であるが、通常の切除縫縮術は後尖の1/3の切除しかできず広範な逸脱に対しては適応が困難である。心エコー図により、後尖の広範な逸脱範囲を正しく評価し、術前より弁形成に対して人工腱索を立てる方法を考慮し、弁を修復しえた症例を報告する。
【症例・経過】48才男性。4年前より後尖の腱索断裂による僧帽弁閉鎖不全の診断を受け弁形成術の適応とされたが放置していた。本年2月、微熱と呼吸困難が続くため入院となった。【入院時検査所見】頚静脈怒張,III音聴取,心尖部に収縮期逆流性雑音III度,心エコー図:後尖の逸脱は2年前と比べてmedial
scallopのみならずmiddle scallopにまで広がっていた。【入院後経過】投薬で症状は軽快したが、左室収縮末期径拡大および肺高血圧が残存した。手術適応と判断し、後尖に人工腱索を2本立て、切除縫縮を行った。術後は合併症なく、僧帽弁に軽度の狭窄と逆流を認めたが血行動態は正常化した。
ビデオ使用:あり
循環器3-14
発表者:安河内 聰,里見元義,今井寿郎,瀧聞浄宏,石田修一
所属:長野県立こども病院循環器科
演題名:左室流出路狭窄解除術後、僧帽弁-大動脈弁線維性結合部に巨大瘤を生じた一例
抄録:
左室流出路狭窄解除術後、僧帽弁ー大動脈弁線維性結合部に解離を生じ左房側への瘤形成がみられた1才3ヶ月の女児例を経験したので報告する。 症例は、生後5ヶ月時心室中隔欠損(VSD)兼大動脈弁下狭窄(DSAS)に対してVSDパッチ閉鎖およびDSAS解除術(大動脈右冠尖から左冠尖方向僧帽弁付近まで弁直下の筋性突起を切除)を施行。術後8日の退院時経胸壁心エコー所見で左冠尖直下僧帽弁輪部に左房側へ突出した小さな瘤を認め、外来経過観察中次第に増大し術後9ヶ月時には左室から左房側へ大きく突出する瘤に成長した。 術後9ヶ月時の心カテ検査と経食道エコーで、瘤は僧帽弁ー大動脈弁線維性結合部から亀裂が入り心房中隔方向へ解離が広がって生じたものと診断し、術後10ヶ月経心房中隔アプローチで瘤切除及びwrappingを施行した。術中所見で、左冠尖から無冠尖下部に入口部を持ち僧帽弁輪部から卵円窩上方まで広がる瘤を確認した。
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循環器3-15
発表者:小林宇希、朝野晴彦、松村 誠、阿部馨子、尾崎公彦、谷津尚吾、山火秀明、
今中和人、田邊大明、横手祐二、許 俊鋭
所属:埼玉医科大学第一外科
演題名:交通外傷後慢性期に診断された左心室瘤、心室中隔穿孔、冠動脈瘻合併例のエコー所見
抄録:
8年前の交通外傷が原因の慢性期左心室瘤、心室中隔穿孔、冠動脈瘻を合併した症例を経験し、興味ある心エコー所見を得たので報告する。<症例>24歳、男性、バイクを運転中トラックと激突し、max
CPK2864より心損傷と診断。心雑音聴取され経食道エコーも施行されたが明らかな所見はなかった。2000年3月頃より動悸出現し外来を受診。軽度肺血管陰影の増強と、汎収縮期雑音を聴取した。<心エコー>体表:左室後下壁に経3cmの入口部をもつ経5cmの瘤を認め、壁は菲薄化していた。また瘤の中隔よりに経8mmの中隔穿孔を認め、右左シャントを確認。経食道エコー:左室瘤、心室中隔穿孔の所見は同様であるが、瘤の心尖部よりに心外より一条のシャントを認め、冠動脈の走行より冠動脈瘻と診断した。<まとめ>交通外傷後慢性期左心室瘤、心室中隔穿孔、冠動脈瘻を合併した症例はきわめて希であり、診断に心エコーは有用であった。
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循環器3-16
発表者:嶋田宗彦1)、島村由起男1)、舛尾正俊2)、桜山千恵子3)、角 洋子3)、
河野ますよ3)
所属:社会保険中央総合病院 1)心臓血管外科、2)循環器内科、3)臨床検査部
演題名: 化膿性心膜炎から仮性心室瘤を形成した一例
抄録:
症例は35才男性。1999年6月、発熱、全身倦怠感にて近医受診。心エコー上、心嚢液の貯溜を認め心嚢ドレナージ施行。抗生剤投与による感染コントロ-ル不良のため同年7月当院に転院。心エコーで心嚢液再貯溜、心後面の心膜癒着と右房内にvegetation様のエコー像を認めた。心嚢ドレーン留置し全身状態の改善を得たが、心膜癒着部に膿瘍と思われるエコー像を認めた。その後、右房内vegetation像は炎症所見の改善に伴い消失したが、膿瘍腔は左心室と交通、仮性左心室瘤となり急速に増大し手術治療とした。術中所見で強固な心膜癒着を認めたが心外膜層の剥離は可能で、心室瘤壁を切開し左室交通孔をパッチ閉鎖し術後経過は良好であった。本症例の如く化膿性心膜炎から膿瘍形成し、左室と交通をきたし仮性左室瘤となることは極めて稀で、その経時的変化を心エコーで観察し得たので報告する。
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循環器3-17
発表者:井上琢也、鈴木真事、酒井英行、杉山祐公、原田昌彦、平井寛則
山口徹
所属:東邦大学大橋病院第三内科
演題名:高齢にて心不全を初発した孤立性左室心筋緻密化障害の1例
抄録:
症例は72歳男性。主訴は夜間臥位での呼吸苦。30年来高血圧症にて内服加療を行っていた。平成11年6月頃から夜間臥位での呼吸苦が出現し、胸部レントゲンにて両側胸水を認め、高血圧性心疾患によるうっ血性心不全の診断にて同年8月入院となった。入院時心電図は洞調律で、完全左脚ブロック、多源性心室性期外収縮を認めた。投薬にて約3週間で軽快退院したが、その後心不全再発により他院に二度入院し、平成12年6月不整脈精査目的にて当院へ転院となった。断層心エコー図にて左室心尖部及び前側壁心内膜側に過剰な肉柱構造を認め孤立性左室心筋緻密化障害と診断した。エコー造影剤の経静脈投与にて左室内腔の造影を行い心尖部付近の肉柱構造と心尖部心筋実質層の菲薄化を認め、心臓CT検査においても同様の所見を得た。先天性の心筋症とされる本疾患が72歳という高齢にて心不全を発症した例はきわめて稀であり報告する。
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